Contents

化学染料を一切使わない「のこり染プレミアム」が誕生しました!

2008年から時間をかけ開発と試行錯誤を繰り返し、誕生した「のこり染」。

この度私たちは、化学染料を一切使わない「のこり染プレミアム」を開発致しました。

「のこり染プレミアム」とは?

完成した布地見本を持って。(代表取締役 墨)

「のこり染」を発表以来、自社ブランドKURAKINや、様々な商品に使用していただきました。
この処方は染色堅牢度(「色の変わりにくさ」や「色落ちのしにくさ」)が悪い点を改善するため、必要最低限の化学染料、化学薬品を使用しています。

今回新しく開発した「のこり染プレミアム」は、化学染料を一切使用していないことが特徴です。(必要最低限の化学薬品は使用しています)
  <化学薬品について>
  媒染材や液を酸性・アルカリ性などにする薬品等です。
  草木染めなどにおいても使用される専用薬品です。

光による変色などの染色堅牢度は良くありませんが、色変化を楽しみながら使っていただけるお客様に提案します。

染められるカラーは限定4色からのスタートとなります。

 カラー:あずき、ひわだ、えごま、ほうれんそう

対応素材は、綿・麻等の天然植物繊維となります。

開発に至るまで

右上から、えごま、ひわだ、ほうれん草、あずき の4色

のこり染は、開発当初から染色堅牢度の欠点を補うために化学染料を併用しています。
本当は化学染料を入れないほうが使ってもらう人にはわかりやすいのだと思います。

しかし、我々も業界の慣習に知らず知らずのうちに慣れてしまい、染色堅牢度が悪いと(簡単に色が落ちてしまう、色が変色してしまう)、そもそも販売の検討もしてもらえない、自社で販売するにしても消費者の理解が得られないのではないかといった先入観(はやり言葉でいうと、忖度?)がありました。
化学染料を併用していることは理解が得られてきたのです。

ところが昨年あたりから、堅牢度悪くてもいいから天然色素だけで、のこり染出来ないかという問い合わせを受け始めました。
データが悪い堅牢度試験結果を見せても、非常に明るく「染めって本来そうでしょう!」と言われたのです。
布製品は大量生産される均一な精密部品ではないのだ、と改めて気付かされました。

そのとき、のこり染を始めようと決意した13年前を思い出したのです。

「染めは、文化である。
色を楽しみ、穏やかで豊かな心地を感じるために、変色しない精密部品はいらない!
原点に戻ろう。
変色した色も美しいと感じるだろうし、染め直して長く使いたい人もいるだろう。
そんな商品があっても確かにいいのかもしれない」

こうして化学染料を使用しない「のこり染」の量産化に向けた開発がスタートしました。

しかし、想像以上に難易度が高いのです。
染めムラはダメ、色の再現性は必要、堅牢度を少しでも良くしたい、等といったハードルがあります。
そして色素の元となる食品や植物の使わない部分の入手が必須ですが、化学染料を使用しない分、同じ生地量を染めるにも、大量に残渣等が必要となることが分かりました。
その量が入手先の事情とマッチングしない場合もあります。

開発をスタートして約1年経過してようやくスタート地点に立つことが出来ました。

まだまだ改善点の解決が必要だったり、予想できないトラブルも起きるかもしれません。

しかし私たちは今、新しい価値観を持った市場を自ら作り出すつもりで取り組んでいこうと思っています。

こうして、今までの先人たちが培ってくれた知識を最大限活かしきりながら、新たなる道を一歩ずつ歩いていきます。

その過程の様子や当社の想いもその都度、みなさまに発信し、お伝えしていくつもりです。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。

株式会社 艶金

代表取締役 墨勇志


0件のコメント

コメントを残す

アバタープレースホルダー

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です